入相は 檜原の奥に 響きそめて 霧にこもれる
山ぞ暮れゆく
         足利尊氏 (風雅和歌集・664)

(いりあいは ひばらのおくに ひびきそめて きりに
 こもれる やまぞくれゆく)

意味・・夕暮れを告げる鐘は檜原の奥で鳴り始め、
    霧に包まれている山はいま暮れてゆく。

    夕霧に包まれた針葉樹林の奥から聞こえ
    る鐘の音は、深い寂しさを伴って響いて
    来る。
   
 注・・入相=夕暮れ、夕暮れに鳴る鐘。
    檜原=檜の茂った山。深い寂しさの情景
     を伴っている。

作者・・足利尊氏=あしかがたかうじ。1305~1358。
     室町幕府初代将軍。後醍醐天皇と争い
     光明天皇を擁立して北朝を立てる。