矢釣山 木立も見えず 降りまがふ 雪にうぐつく
朝楽しも
           柿本人麻呂 (万葉集・262)

(やつりやま こだちもみえず ふりまがう ゆきに
 うぐつく あしたたのしも)

意味・・矢釣り山の木立も見えないほどに降り乱れて
    いる雪の中、馬を並べて走って行く事は本当
    に楽しいものだ。

 注・・矢釣山=所在地不明。
    まがふ=紛ふ。区別が出来ないほど似る。
    うぐづく=驟く。馬が走り回る。

作者・・柿本人麻呂=生没年未詳。700年頃の万葉歌人。