庭ひろき 池の心の ちりもなし 松にや世々の
年つもるらん
            正徹 (正徹詠草・22)

(にわひろき いけのこころの ちりもなし まつにや
 よよの としつもるらん)

意味・・広い庭にある大きな池の水には一点の塵も積もっ
    ていないが、そのほとりの松にはこれから幾世に
    もわたる年が積もるだろう。

 注・・庭ひろき池=広い庭と広い池の両意。

作者・・正徹=しょうてつ。1381~1459。室町時代の歌僧。
     歌集「草根集」。