木々の心 花ちかからし 昨日けふ 世はうすぐもり
春雨ぞ降る
            永福門院 (永福門院百番御歌合・6)

(きぎのこころ はなちかからし きのうきよう よはうす
 ぐもり はるさめぞふる)

意味・・木々はその心の中で、もうすぐ花を咲かせようと
    思っているらしい。そんな昨日今日、世はうす曇
    り、花を咲かせる春雨が静かに降っている。

    木々の幹はかすかな光沢を帯び、花のつぼみは命
    をはらんで膨らんでいる。春の呼吸のようなもの
    を作者は感じとめて詠んでいます。

作者・・永福門院=えいふくもんいん。1271~1342。伏見
     天皇の中宮。「玉葉和歌集」の代表的歌人。