鳥の音に のどけき山の 朝あけに 霞の色は
春めきにけり
            藤原為兼 (玉葉和歌集・9)

(とりのねに のどけきやまの あさあけに かすみの
 いろは はるめきにけり)

意味・・鳥の声ものどかに聞こえて来る山の明け方に、
    たちこめる霞の色はすっかり春らしくなった
    ことだ。

作者・・藤原為兼=ふじわらのためかね。1254~1331。
     華美な振る舞いに武家の反感を買い佐渡に
     流される。「玉葉和歌集」の撰者。