夏草は 心のままに 茂りけり 我庵せむ
これのいおりに
               良寛 

(なつくさは こころのままに しげりけり われ
 いおりせん これのいおりに)

意味・・夏の草は思いのままに茂っている。この気兼
    ねない場所で、私はしばらくここで住んでみ
    よう。この粗末な建物に。

    新潟県・国上山中腹の五合庵を出て麓の乙子
    神社社務所に移った時に詠んだ歌です。良寛
    も年老いて山の上り下りが苦労に思われて移
    住したもの。
    建物は粗末でも、人に気兼ねなく思いのまま
    に暮らせるのを喜びとしています。

作者・・良寛=りょうかん。1758~1831。

出典・・良寛全歌集・529。