奥山の おどろが下も 踏み分けて 道ある世ぞと
人に知らせん
           後鳥羽院 (新古今・1633)

(おくやまの おどろがしたも ふみわけて みちある
 よぞと ひとにしらせん)

意味・・奥山の藪の中を踏み分けて行って、どのよう
    な所にも道がある世だと、人に知らせよう。

 注・・おどろ=茨など低木の茂るさま、藪。
    道ある世=「道があるよ」を掛ける。希望・
     楽しみのある道。

作者・・後鳥羽院=ごとばいん。1180~1239。1192年に
     源頼朝が鎌倉に幕府を開いた時の天皇。承久
     の乱で倒幕を企てて破れ、隠岐に流される。