現在の 口先だけの 自然保護 「もののけ姫」観て
一から見直す
                新井悠子

(げんざいの くちさきだけの しぜんほご 「もののけ
 ひめ」みて いちからみなおす)

意味・・自然保護が叫ばれているが、現在の様子を見て
    いると、口先だけのように感じられる。映画「
    もののけ姫」を観て、自然保護を一から見直す
    ようになった。

    「もののけ姫」は宮崎駿原作・脚本・監督によ
    る映画。この物語は、中世から近世に移行しょ
    とする日本を舞台に展開する。人間が増える事
    により、次々と原生林が切り拓かれていったが、
    そこにはまだ人間を寄せ付けない太古の原生林
    が残っていた。生きるために森を拓こうとする
    人間、逆に生きるために森を守ろうとする神々、
    この両者の壮絶な戦いに巻き込まれていく主人
    公のアシタカ。まさに波乱に満ちた一大叙事詩
    といえる内容です。

    自然保護が叫ばれながら、山が崩され宅地とな
    って行く。農薬により水辺の昆虫、トンボなど
    が減っている。自然保護の大切さを改めて感じ
    て詠んだ歌です。

作者・・新井悠子=あらいゆうこ。川越西高校生。’98
     年当時、17歳。

出典・・神作光一・大滝貞一編「短歌青春」(東洋大学「
     現代学生百人一首」)