待つといふ 一つのことを 教へられ われ髪しろき
老に入るなり
             片山広子 (野に住みて)

(まつという ひとつのことを おしえられ われかみ
 しろき おいにいるなり)

意味・・髪が白くなり、「老いに入る」と自覚を感じる
    年頃になった。人生を振り返ってみると、とど
    のつまりは、「待つ」という事を繰り返して来
    たように思われる。

    人生は「待つ」事の連続だと言っている。
    女性は年々歳々、誰かを、あるいは何かを待ち
    ながら老いを迎える。主人が仕事から帰ってく
    るのを、食事の用意をして待つ。子供が生まれ
    ると、成長するのを手助けしながら待つ。良い
    学校に入る事を待ち、就職する事を、結婚する
    事を待つ。この「待つ」の中に喜びがあり楽し
    みもあるのだが・・。自分自身の力を発揮させ
    るためには何をしただろうか・・。

作者・・片山広子=かたやまひろこ。1878~1957。東洋
     英和女学校卒。佐々木信綱に師事。アイルラ
     ンド文学の翻訳家。