これやこの 名に負ふ鳴門の 渦潮に 玉藻刈るとふ
海人娘子ども
              田辺秋庭 (万葉集・3638)

(これやこの なにおうなるとの うずしおに たまも
 かるとう あまおとめども)

意味・・これがあの、あの有名な鳴門の渦潮の玉藻を刈
    っているという、海人乙女ですね!

    阿波の鳴門の渦潮だけでなく、山口県の大島の
    鳴門の渦潮も有名であったばかりでなく、そこ
    で舟に乗りワカメなどの海藻を採る海人乙女た
    ちも有名であったらしい。
    都では、「大島の鳴門の渦潮はすごいぞ。しか
    もな、その激しい渦潮の所で、なんと乙女たち
    が玉藻を刈っているらしいぞ」と話題になって
    いたのであろう。
    旅行の楽しみといえば、知らない土地に行って
    知らないものを見る、ということに尽きる。そ
    してもう一つの楽しみは、聞いた事はあるけれ
    ども、行った事のない土地に行く事である。    

 注・・名に負ふ=有名な。
    鳴門=詞書により、山口県柳井市の大島の鳴門。

作者・・田辺秋庭=たなべのあきにわ。生没年未詳。遣
     新羅使の人。