尋ねくる 人もあらなん 年をへて わがふる里の
鈴虫の声
            四条中宮 (後拾遺和歌集・269)

(たずねくる ひともあらなん としをへて わが
 ふるさとの すずむしのこえ)

意味・・ここを訪ねて来る人もあればよいと思います。
    年が経ってさびれたこの古里のわが宿に鈴を
    振るようによい声で鈴虫が鳴いていますもの。

 注・・あらなん=あればよい。「なん」は願望の助
     詞。
    わがふる里=「わが古」と「古里」を掛け、
     「振る」の意も含める。

作者・・四条中宮=よんじょうのちゅうぐう。藤原公
     任(966~1041)の姉。