直越の この道にてし おしてるや 難波の海と
名付けけらしも
           神社忌寸老麻呂 (万葉集・977)

(ただこえの このみちにてし おしてるや なにわの
 うみと なづけけらしも)

意味・・昔の人は直越のこの道で難波の海を見て「おし
    てるや難波の海」と名付けたに違いない。

    直越の道で難波の海の前面に反射する日の光を
    見て、枕詞「おしてるや」の由来をその光景に
    見出し感動した歌。
    当時、大和と難波を直線的に結ぶ道(直越)があ
    った。

 注・・直越(ただこえ)=大阪市の草香山を越えて難波
     と大和を直線的に結んだ道。
    この道にてし=「し」は強調する助詞。
    おしてるや=押し照るや。「難波」の枕詞。日
     が一面に照る。

作者・・神社忌寸老麻呂=かみこそのいみきおゆまろ。
     伝未詳。