夕月夜 心もしのに 白露の 置くこの庭に 
こほろぎ鳴くも
          湯原王 (万葉集・1552)

(ゆうづくよ こころもしのに しらつゆの おく
 このにわに こおろぎなくも)

意味・・月の出ている夕暮れ、心がしんみりするよう
    に、庭の草にしっとりと白露が置いている。
    さらに寂しさを添えるように秋の虫が鳴いて
    いる。

 注・・心もしのに=心がうちしおれるばかりに。
    こほろぎ=秋鳴く虫のすべてをいう。

作者・・湯原王=ゆはらのおおきみ。生没年未詳。
     志貴の皇子の子。