業平に泣面作らする都鳥
                 烏山猫角

(なりひらに べそつくらする みやこどり)

意味・・「名にし負はばいざ言問はむ都鳥わが思ふ
    人はありやなしやと」と、都の名が懐かし
    く、恋人を思い出した業平は、隅田川まで
    たどり着いた時、都鳥を見て泣きべそをか
    いたのだろう。

    「伊勢物語」には、「舟こぞりて泣きにけり」
    とあり、詠んだ当人も泣いたに違いない。

    古典の「雅(みやび)」を「べそ作る」と卑近
    にして滑稽さを詠んでいます。

作者・・烏山猫角=伝未詳。江戸時代初期の川柳作歌。

出典・・鈴木勝忠校注「川柳」。