美しく 粧ふけふの 月の顔 詠めあかさで
ぬるはおしろい
              腹唐秋人

(うつくしく よそおうきょうの つきのかお ながめ
 あかさで ぬるはおしろい)

意味・・美しく化粧している今夜の明月の顔を、ながめ
    明かすこともしないで、早く寝るのはまことに
    惜しいことである。

    おしろいを塗ってきれいに化粧した顔にかかわ
    らず、風流を解しない心の持ち主を、あざけっ
    て詠んでいます。

 注・・ぬる=「寝る」と「塗る」を掛ける。
    おしろい=「白粉」と「惜し」を掛ける。

作者・・腹唐秋人=はらからのあきひと。1758~1821。
     日本橋の商家の番頭。洒落本作家。書家。