草も木も ふりまがへたる 雪もよに 春待つ梅の
花の香ぞする
                  源道具

(くさもきも ふりまがえたる ゆきもよに はるまつ
 うめの はなのかぞする)

意味・・雪が吹きしきる中、早くも白梅が咲いているの
    か。草も木も真っ白で見分けられないが、春を
    待つ梅の花の香りが匂ってきているように思
    われる。

 注・・ふりまがへたる=降り紛へたる。区別がつかな
     いように降る。
    雪もよに=雪が盛んに降るなかで。

作者・・源通具=みなもとのみちとも。1170~1227。
     新古今和歌集の撰者の一人。

出典・・新古今和歌集・684。