霰ふる音にも世にも聾傘
                長谷川馬光

(あられふる おとにもよにも つんぼがさ)

意味・・霰が降るなかに傘をさして行くと、傘に
    ぱらぱらとうるさいほどであるはずだが、
    年をとつて耳が遠くなったので霰の音も
    それほどには聞こえない。、そのように
    公の勤めをやめた自分には、世の中の動
    きにも無頓着に、遁世したような暮らし
    をしている。

作者・・長谷川馬光=はせがわばこう。1685~
    1751。医者の家の次男。山口素堂に師事。

出典・・句集「かさねがさ」(日本古典文学全集
    「近世俳句俳文集」)