天つ空 ひとつに見ゆる 越の海の 波をわけても
帰るかりがね
                 源頼政

(あまつそら ひとつにみゆる こしのうみの なみを
 わけても かえるかりがね)

意味・・空と海がひとつになって見分けがつかない、は
    るか彼方の越の海の、荒い波路を乗り越えてで
    も帰って行く雁だなあ。
 
    昔のよき時代に帰りたい作者の想いを帰雁に思
    い入れている。

 注・・越の海=北陸の海。「来し」を掛ける。
    波をわけても=帰るべき季節になったので、北
     国の荒い波路を乗り越えてでも。

作者・・源頼政=みなもとのよりまさ。1104~1180。
    平氏と対立し宇治川の合戦に負けて自害した。

出典・・千載和歌集・38。