三輪山の 山下響み 行く水の 水脈し絶えずは
後も我が妻
               詠み人知らず

(みわやまの やましたとよみ ゆくみずの みおし
 たえずは のちもわがつま)

意味・・三輪山の麓を響かせて行く水、この水の流れ
    の絶えない限り、後々まであなたは私の妻な
    のだよ。

    起こるはずのない天変地異を引き合いに出し
    て、実際には移ろいやすい男女の間の、愛の
    変らないことを神に誓った歌。三輪の社に祭
    られる神は殊に誓いの神としての力を信じら
    れていたので、その山裾を流れる初瀬川の永
    遠性をあかしに立てて詠まれている。

 注・・三輪山=奈良県桜井市にある山。467mの山
     で南側に初瀬川が流れている。
    水脈=川や海で船が往来する路となる深い所。
    し=上接する語を強調する語。

出典・・万葉集・3014。