*************** 名歌鑑賞 ***************


世の中は 左様でそうで ご尤も しかと存ぜず
おめでたいこと 
                作者不明

(よのなかは さようでそうで ごもっとも しかと
 ぞんぜず おめでたいこと)

意味・・世渡りのうまい人間は、上司や力のある人物
    が言うすべてのことに、「そのとおり」「そ 
    うです」「おっしゃることはごもっとも」と
    相づちを打ち、お上手を言う。微妙なことに
    なると「いやしっかりとは存じません。あの
    人に聞いて下さい」とふる。実にうまく立ち
    振る舞う。これですべてはうまくいき、出世
    するという。

    いつもお上手を言われている上司には、そう
    いう人物を評価して引き立てたりする。不器
    用な人物は、いつでも取り残されてしまう。
    だから、こういう歌が皮肉を込めて詠みつが
    れるわけである。この歌は江戸時代、田沼親
    子が権勢をふるっていた頃に流行ったという。
    もっとも、相手のことを否定してばかりして
    いては人間関係はまずくなる。「そうですね」
    と相づちを打つ効用を詠んでいる。

出典・・山本健治著「三十一文字に学ぶビジネスと人生
    の極意」。