************ 名歌鑑賞 ***************


生きかはり 死にかはりして 打つ田かな

                   村上鬼城

(いきかわり しにかわりして うつたかな)

意味・・鍬(くわ)を振り上げ黙々と田を耕している
    男がいるが、この田は父祖代々、毎年毎年
    耕し続けて来たものであることを思うと、
    胸迫る思いがすることだ。

    田園風景は、日本古来のものであったが、
    最近は機械化が進み、また、米を外国から
    輸入する時代になって、このような風景も
    いつまで続くだろうか。

 注・・生きかはり=生まれ変る意。
    死にかはり=人が死んで代が変ること。
    打つ田=田打ち、田を耕す。

作者・・村上鬼城=むらかみきじよう。1865~19
    38。耳症のため父の職を継ぎ裁判所の代書
    人となる。

出典・・句集「鬼城句集」(石寒太著「命の一句」)