*************** 名歌鑑賞 ***************


心より たぎつ岩波 音たてて わがまつかひの
秋風ぞ吹く
               尭胤法親王

(こころより たぎついわなみ おとたてて わがまつ
 かいの あきかぜぞふく)

意味・・烈しく白波が音をたてて流れている。この涼気
    は、心から私が待つ甲斐があって秋風が吹いて
    来るように感じられる。

 注・・心より=第四句の「わがまつ」にかかる。
    たぎつ=水が烈しく流れる。

作者・・尭胤法親王=ぎょういんほうしんのう。1458~
    1520。三千院の僧。室町期の歌人。

出典・・文亀三年三十六番歌合(小学館「中世和歌集」)