*************** 名歌鑑賞 **************
 
この丘の 青葉となれる しづけさを 行きて面影に
立つ人のあり
                  山崎敏夫

(このおかの あおばとなれる しずかさを ゆきて
 おもかげに たつひとのあり)

意味・・したたるような深緑、眩(まぶ)しい青葉の丘、
    その静けさの中を今一人で歩いていると、ふ
    と過ぎし日の思い出が心に蘇(よみがえ)って
    きて、懐かしいあの女(ひと)の幻影が眼前に
    浮かんできては、微笑みかけてくれるのであ
    る。

作者・・山崎敏夫=伝未詳。

出典・・新万葉集・巻八(荻野恭茂著「新万葉愛歌鑑賞」)