************** 名歌鑑賞 ***************
 
 
かよふべき 心ならねば 言の葉を さぞともわかで
人や聞くらむ
                 兼好法師

(かようべき こころならねば ことのはを さぞとも
 わかで ひとやきくらん)

意味・・私の気持ちを分ってもらいたいと思っても、通
    じる相手ではないので、あなたは私の言葉をそ
    うだと理解しないで聞いておられるのでしょう。

    心を込めて語る言葉が相手に通じないことを嘆
    いています。周囲の人に注目されず、才能や実
    力の真価も発揮できず、胸中も理解されない人
    生。それが兼好法師であり、その辛さを詠んで
    います。

 注・・かよふ=気持ちが相手に通じる。
    さぞ=然ぞ。そのように。
    わかで=分かで。理解しない。

作者・・兼好法師=けんこうほうし。1283頃の生まれ。
    70歳くらい。後二条院に仕えたが30歳頃出家。
    「徒然草」で有名。

出典・・歌集「兼好法師家集・47」。