*************** 名歌鑑賞 **************
 
 
老いぬとて などかわが身を せめきけむ 老いずは今日に
あはましものか       
                    藤原敏行

(おいぬとて などかわがみを せめきけむ おいずは
 けふに あわましものか)

意味・・私は年老いて役に立たなくなったといって、
    どうしてわが身を責め恨んだのだろうか。
    もし年をとり生きながらえることが無かっ
    たら、今日の喜びに逢えたでしょうか、逢
    えなかったのです。

    年を取って生きながらえることがなかった
            ら、栄えある今日を迎えただろうかという
    感慨を詠んでいます。

 注・・せめき=責めき、とがめる。恨む。

作者・・藤原敏行=ふじわらのとしゆき。 ~901。
    従四位上・蔵人頭。

出典・・古今和歌集・903。