**************** 名歌鑑賞 ***************
冬枯れの 野辺とわが身を 思ひせば もえてもはるを
待たましものを
伊勢
(ふゆがれの のべとわがみを おもいせば もえて
はるをまたましものを)
意味・・わが身を冬枯れの野と思い込んでしまえば、
草が萌えて芽を張る時期を待つように、春
の再来に期待を掛けたいところだ。
衰えが来て元気がなくなったが、草が萌え
出すように、自分も冬枯れの身と思って春
には元気になりたい、という気持を詠んで
います。
注・・おもいせば=しいて思うならば。
はる=「春」と「張る」を掛ける。
作者・・伊勢=いせ。生没年未詳。九世紀後半の歌人。
出典・・古今和歌集・791。
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