*************** 名歌鑑賞 ****************


山たかみ 都の春を みわたせば ただひとむらの 
霞なりけり     
                大江正言

意味・・山が高いので、そこから都の春景色を眺望
    すると、ただ一群の春霞がたなびいている
    ばかりだ。

    八十メートルほどの高台にある長楽寺から
    春の都を眺めた景色です。霞を通して待ち
    に待った春が来た事を詠んでいます。

 注・・ひとむら=一群。ひとかたまり。

作者・・大江正言=おおえのまさとき。生没年未詳。
    従五位大隈守。

出典・・後拾遺和歌集・38。