***************** 名歌鑑賞 ****************


高瀬さす 六田の淀の 柳原 緑も深く 
かすむ春かな        
                                 藤原公経

(たかせさす むつたのよどの やなぎはら みどり
 もふかく かすむはるかな)

意味・・高瀬舟が棹をさして行く六田の淀の柳原は、
    緑も深く、その緑とひとつになって深くかす
    んでいる春景色。のどかだなあ。

    「霞、遠樹を隔つ」の題で詠んだ歌です。

 注・・高瀬さす=高瀬舟が棹をさしていく。高瀬舟
     は川の浅瀬を通るために作った底の浅い舟。
    六田の淀=奈良県吉野郡吉野川の渡し場。
    かすむ=「緑がかすむ」と「霞」を掛ける。

作者・・藤原公経=ふじわらのきんつね。1171~1244。
    従一位太政大臣。

出典・・新古今和歌集・72。