**************** 名歌鑑賞 ****************


梅が香を さくらの花に 匂はせて 柳の枝に
咲かせてしがな       
                 中原致時

(うめがかを さくらのはなに におわせて やなぎの
 えだに さかせてしがな)

意味・・梅のよい香りを美しい桜の花に匂わせて、
    しなやかな柳の枝に咲かせたいものだ。

    梅・桜・柳、お互いのある物とない物とを
    からませて理想の姿に造型しょうとしたも
    の。さしずめ、よい匂いのする枝垂桜とい
    うところです。

 注・・しがな=願望を示す助詞。・・したいなあ。

作者・・中原致時=なかはらのむねとき。生没年未詳。

出典・・後拾遺和歌集・82。