***************** 名歌鑑賞 ****************


我のみぞ ありしにもあらず なりにけり 花は見し世に
変わらざりけり    
                    白河院

(われのみぞ ありしにもあらず なりにけり はなは
 みしよに かわらざりけり)

意味・・私だけが以前と違う境涯となってしまった。
    が、花は帝位にあって見た昔と変わらぬ美
    しさだ。

    「加茂川の水、双六の賽、三蔵法師、これぞ
    我が心にかなわぬもの」と嘆き、その権威を
    誇った白河院であるが、今はこのような実力
    が無くなり、また体力の衰えの寂しさも詠ん
    でいます。

 注・・ありし=以前の(姿)、昔の(境遇)。

作者・・白河院=しらかわいん。1053~1129。72代
    の天皇。「後拾遺和歌集」「金葉和歌集」の
    撰集を命ずる。

出典・・風葉和歌集・74。