*************** 名歌鑑賞 ****************


ほととぎす 聞かで明けぬる 夏の夜の 浦島の子は
まことなりけり         
                   西行

(ほととぎす きかであけぬる なつのよの うらしまの
 こは まことなりけり)

意味・・郭公(ほととぎす)の鳴く声も聞くこともなく、
    夏の短夜ははかなく明けてしまったが、まこ
    とに浦島の子の玉手箱のように、あけてくや
    しいことである。

作者・・西行=さいぎょう。1118~1190。俗名佐藤義清
    (のりきよ)。鳥羽上皇の北面武士であったが23
    歳で出家。「新古今集」では最も入選歌が多い。

出典・・山家集・187。