*************** 名歌鑑賞 ***************


須磨寺や ふかぬ笛きく 木下やみ   
                      芭蕉

(すまでらや ふかぬふえきく こしたやみ)

意味・・この須磨寺の、青葉小暗い木立の中にただずむと、
    昔のことが偲(しの)ばれる。そしてあの平敦盛(
    あつもり)の吹く青葉の笛の音がどこからか聞こ
    えてくるように思われることだ。

    青葉の笛は明治の唱歌になっています。

    一の谷の 戦敗れ
    討たれし平家の 公達(きんだち)あわれ
    暁寒き 須磨の嵐に
    聞こえしはこれか 青葉の笛


 注・・須磨寺=神戸市須磨寺町にある福祥寺の通称。
     寺には平敦盛が夜毎に吹いたという青葉の笛
     が保存されている。
    平敦盛=笛の名手として鳥羽院より青葉の笛を
     賜った。17才で平家の一門として一の谷の闘
     に加わった。源氏側の奇襲で劣勢になり船に
     逃れようとした時、熊谷直実に討たれた。

作者・・芭蕉=ばしょう。1644~1699。

出典・・笈の小文。