*************** 名歌鑑賞 ***************


風をいたみ 岩うつ波の をのれのみ くだけてものを
おもふころかな     
                  源重之

(かぜをいたみ いわうつなみの おのれのみ くだけて
 ものを おもうころかな)

意味・・風が激しいので、岩を打つ波が砕けるように、
    自分だけが心を千々にくだいて物思いをする
    この頃だ。

    岩をつれなき女に、波をわが身にたとえてい
    ます。

 注・・いたみ=痛み。痛みを感じる、(風が)激しい
     ので。

作者・・源重之=みなもとのしげゆき。1000年頃没。
    陸奥守、36歌仙。
 
出典・・詞歌和歌集・211、百人一首・48