*************** 名歌鑑賞 ****************


世の中を 常なきものと 今ぞ知る 奈良の都の
うつろふ見れば          
                 詠み人知らず
 
(よのなかを つねなきものと いまぞしる ならの
 みやこの うつろうみれば)

意味・・世の中が無常なものだということを、私は今
    こそはっきりと思い知った。あの栄えた奈良
    の都が日ごとにさびれてゆくのをまのあたり
    にして。

    遷都により奈良の都が荒廃したことを嘆いた
    歌です。

 注・・常なき=無常。全ての物が消滅変転してとど
     まらないこと。
    奈良の都=710年より784年の長岡京の遷都
     まで続いた。その後荒廃した。
    うつろふ=移ろふ。時とともに物事が変化す
     ることだが、衰退の方向に変化する場合を
     いう。
 
出典・・ 万葉集・1045 。