名を聞けば 昔ながらの 山なれど しぐるる秋は
色まさりけり
源順
(なをきけば むかしながらの やまなれど しぐるる
あきは いろまさりけり)
意味・・名を聞くと、昔ながら変ることのない、長等山
ではあるけれど、時雨が降る秋は、一段と色が
まさることだ。
不変の長等山が、美しく紅葉した景色を詠んで
います。
注・・ながら山=「長等山」と「昔ながら」を掛ける。
長等山は滋賀県大津市の三井寺の裏山。
しぐるる=時雨るる。秋から冬にかけて降った
り止んだりする雨、が降る。
作者・・源順=みなもとのしたがう。911~983。従五位・
能登守。万葉集を読解する。「後撰和歌集」の
撰者。
出典・・拾遺和歌集・198。
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