**************** 名歌鑑賞 ****************
忘れじの 行く末までは かたければ 今日を限りの
命ともがな
儀同三司母
(わすれじの ゆくすえまでは かたければ きょうを
かぎりの いのちもがな)
命ともがな
儀同三司母
(わすれじの ゆくすえまでは かたければ きょうを
かぎりの いのちもがな)
意味・・いつまでも忘れまいとあなたはおっしゃって
下さいますが、そのように遠い将来のことは
頼みがたいことですから、そうおっしゃって
くださる今日を限りの命であってほしいもの
です。
下さいますが、そのように遠い将来のことは
頼みがたいことですから、そうおっしゃって
くださる今日を限りの命であってほしいもの
です。
当時の上流貴族たちは一夫多妻であり、結婚
当初は男が女の家に通っていた。男が通って
来なくなれば自然に離婚となっていた。いつ
しか忘れ去られるという不安のなかで、今日
という日を最良の幸福と思う気持を詠んでい
ます。
当初は男が女の家に通っていた。男が通って
来なくなれば自然に離婚となっていた。いつ
しか忘れ去られるという不安のなかで、今日
という日を最良の幸福と思う気持を詠んでい
ます。
注・・忘れじの=いつまでも忘れまいと。
行く末=将来。
かたければ=難ければ。難しいので。
命ともがな=命であってほしい。「もがな」
は願望の助詞。
行く末=将来。
かたければ=難ければ。難しいので。
命ともがな=命であってほしい。「もがな」
は願望の助詞。
作者・・儀同三司母=ぎどうさんしのはは。998年没。
高階成忠の娘。藤原道隆の妻。「儀同三司」
は「太政大臣・左大臣・右大臣」と同じ意味。
出典・・新古今集・1149、百人一首・54。
高階成忠の娘。藤原道隆の妻。「儀同三司」
は「太政大臣・左大臣・右大臣」と同じ意味。
出典・・新古今集・1149、百人一首・54。
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