**************** 名歌鑑賞 ***************

 
内日さす 都のてぶり 東山 寝たる容儀に 
いひつくしけり
              橘曙覧

(うちひさす みやこのてぶり ひがしやま ねたる
 すがたに いいつくしけり)

意味・・京都を代表した東山の姿を、布団を掛けて寝て
    いる姿だと上手く言ったものだ。そういえば、
    京都は安らかで落ち着いた雰囲気のある町だ。

    次の嵐雪の俳句を見て詠んだ歌です。

    蒲団着て 寝たる姿や 東山  
         (意味は下記参照)

 注・・内日=都の枕詞。
    てぶり=風俗、風習。
    容儀(すがた)=礼儀正しい態度や姿。

作者・・橘曙覧 =たちばなあけみ。1812~1816。家業
    は紙商だか、異母弟に譲り隠棲した。福井藩の
    重臣と親交。

出典・・岩波文庫「橘曙覧全歌集」。

参考句です。

蒲団着て 寝たる姿や 東山      
                嵐雪

(ふとんきて ねたるすがたや ひがしやま)

意味・・夕暮れどきに京の街から冬の東山を眺めると、
    冬には「山眠る」というけれどもその通り、
    人が蒲団をかぶって寝た姿である。

作者・・嵐雪=らんせつ。服部嵐雪。1654~1701。
    芭蕉に入門。

出典・・笠間書院「俳句の解釈と鑑賞事典」。