**************** 名歌鑑賞 ****************

 
木々の心 花ちかからし 昨日けふ 世はうすぐもり
春雨ぞ降る
                 永福門院 

(きぎのこころ はなちかからし きのうきよう よはうす
 ぐもり はるさめぞふる)

意味・・木々はその心の中で、もうすぐ花を咲かせようと
    思っているらしい。そんな昨日今日、世はうす曇
    り、花を咲かせる春雨が静かに降っている。

    春に会って雨を受け、生き生きとした木々。そこ
    から今にも花を咲かせたい、という生命力を感じ
    とっています。

作者・・永福門院=えいふくもんいん。1271~1342。伏見
     天皇の中宮。「玉葉和歌集」の代表的歌人。
 
出典・・玉葉和歌集。