*************** 名歌鑑賞 **************

 
干し柿の 暖簾を見れば 思い出す ひとつひとつに
祖母の思いを
                 今井まみ

(ほしがきの のれんをみれば おもいだす ひとつ
 ひとつに そぼのおもいを)

意味・・干し柿の暖簾、なつかしい風景である。柿を
    一つ一つ丹念にむいて下げていた祖母。干し
    柿を作りながら、私に色々と話をしてくれた。
    私も手伝いながら、祖母の話を聞きながら干
    し柿の暖簾を作った。今、干し柿が暖簾のよ
    うに下がっているのを見ると、あの頃がなつ
    かしく思いだされて来る。

作者・・今井まみ=今井まみ。‘00当時、岐阜県益田南
    高校二年、17才。

出典・・大滝貞一著「短歌青春」(東洋大学・現代学生
    百人一首)。