**************** 名歌鑑賞 **************

 
春くれば 散りにし花も さきにけり あはれ別れの
かからましかば
                  具平親王
            
(はるくれば ちりにしはなも さきにけり あわれ
 わかれの かからましかば)

意味・・春が巡って来たので去年散った花も咲いたこと
    ですね。ああ、人との別れがこのようであった
    なら嘆くこともないでしょうに。

    桜狩に行った時に、昨年亡くなった人の話題と
    なり、詠んだ歌です。

 注・・あはれ=感動を表す語。ああ、なんとまあ。
    かからましかば=斯からましかば。もしこの
     ようであったならば。

作者・・具平親王=ともひらしんのう。964~1009。中
    務卿・正四位上。村上天皇弟7皇子。
 
出典・・千載和歌集・545。