*************** 名歌鑑賞 ****************


うろじより むろじへ帰る 一休み 雨降らば降れ
風吹かば吹け
                 一休宗純

(うろじより むろじへかえる ひとやすみ あめふらば
 ふれ かぜふかばふけ)

意味・・人生というのは、この世からあの世へと向かう、
    ほんの一休み。雨が降ろうが風が吹こうが、気に
    しない気にしない。
  
    人生というのは、一休みするほどの短さだ。雨が
    降り風が吹く事もあろうが、それも一時の時間。
    心のこだわりを捨てて、からりとした気持ちで生
    きることだ。
  
    「一休」の名の由来の歌です。

 注・・うろじ=有漏路。煩悩(ぼんのう・悩ます迷いの
     心)を持ち悟れない人、この世、現世。
    むろじ=無漏路。煩悩のない悟りの境地、あの世。
  
作者・・一休宗純=いっきゅうそうじゅん。1394~1481。
    頓知でお馴染みの一休さんです。