*************** 名歌鑑賞 *************** 


相思はぬ 人を思ふは 大寺の 餓鬼の後に 
額づくがごと
               笠女郎

(あいおもわぬ ひとをおもうは おおでらの がきの
 しりえに ぬかずくがごと)

詞書・・笠女郎、大伴家持に贈る歌。

意味・・互いに思わない人を一方的に思うのは、大寺
    の餓鬼を後から額をこすりつけて拝んでいる
    ようなものだ。

    片思いは仏ならぬ餓鬼に、しかも後から拝む
    ようなもの。何のかいもないことだと、我が
    恋を自嘲したものです。

 注・・相思はぬ=片思いのこと。
    後(しりえ)に=後から。

作者・・笠女郎=かさのいらつめ。生没年未詳。万葉
    集に28首、大伴家持に贈った歌を残している。

出典・・万葉集・608。