**************** 名歌鑑賞 ****************


月はやし梢は雨を持ちながら
                    芭蕉

(つきはやし こずえはあめを もちながら)

意味・・雨はやんだが、雲は飛ぶように早い。梢のあたり
    には、まだ先ほどの雨のしずくがそのまま残り、
    それに月の光があたって、美しくまたさわやかな
    ことだ。

    雲のことは一語も言っていないが、雲が去来する
    さまをみずみずしく思わせてくれる。

 注・・月はやし=月の面を雲が去来するのが早いので、
     月が早く走るように見える趣をいったもの。

作者・・芭蕉=ばしょう。1644~1694。

出典・・鹿島紀行。