***************** 名歌鑑賞 **************


秋の野に なまめき立てる 女郎花 あなかしがまし
花もひと時
                 僧正遍照 

(あきののに なまめきたてる おみなえし あな
 かしがまし はなもひととき)

意味・・秋の野原に、あでやかな姿を競っている女郎花
    は、まあなんとうるさいことであろうか。美し
    い花も、ほんの一時だけの事なのに。

    女郎花を女性にたとえた歌です。

 注・・なまめき立てる=あでやかな姿を競っている。
    女郎花=花の名前から若い女性をほのめかす。
    あなかしがまし=ああ、やかましい。

作者・・僧正遍照=そうじょうへんじょう。~890年没。
     元慶寺を創設して座主となった。

出典・・古今和歌集・1016。