***************** 名歌鑑賞 ****************


今日に明けて 昨日に似ぬは みな人の 心に春の
立ちにけらしも
                   紀貫之

(きようにあけて きのうににぬは みなひとの こころに
 はるの たちけらしも)

詞書・・春立つ日詠める。

意味・・今日このように夜が明けて、昨日と違っているよう
    に見えるのは、すべての人の心に春が来たからであ
    るらしいなあ。

    季節の移り変りも、結局は節目節目の気構えによる
    ものだ、という心を大切にした歌となっています。
   
作者・・紀貫之=きのつらゆき。780~945。土佐守。古今集
    仮名序の作者。三十六歌仙の一人。