**************** 名歌鑑賞 **************


晴るる夜の あはれはいはじ 月かげの おぼろにうつる
須磨の浦波
                   藤原為相

(はるるよの あわれはいわじ つきかげの おぼろに
 うつる すまのうらなみ)

意味・・晴れている夜の趣き深さはいうまでもないで
    あろう。月の光がおぼろに映っている須磨の
    浦波の面白さも決して劣ることはあるまい。

    秋のさわやかに輝く月はもちろん良いが、お
    ぼろに霞んで見える春の月も良いものだ。

 注・・あはれ=しみじみとした趣、深い感慨。

作者・・藤原為相=ふじわらのためすけ。1263~1328。
    正二位権中納言。母は阿仏尼(十六夜日記が有
    名)。

出典・・為相百首(小学館「中世和歌集」)