*************** 名歌鑑賞 ***************


古に 恋ふらむ鳥は ほととぎす けだしや鳴きし 
我が念へるごと
                額田王

(いにしえに こうらんとりは ほととぎす けだしや
 なきし わがもえるごと)

意味・・昔を恋い慕っているという鳥のほととぎすよ。
    おまえは、私と同じように、はるか遠い昔を
    偲んで、悲しい声で鳴いているのだろうね。

 注・・らむ=・・ということであるが、さぞかしそ
     うであろう。
    けだし=おそらく、たぶん、まさしく。

作者・・額田王=ぬかたのおおきみ。生没年未詳。天
    武天皇の妃。

出典・・万葉集・112。