***************** 名歌鑑賞 ***************


かんがえて 飲みはじめたる 一合の 二合の酒の
夏のゆふぐれ
                  若山牧水

(かんがえて のみはじめたる いちごうの にごうの
 さけの なつのゆうぐれ)

意味・・よそうか、飲もうか、そう考えながらにいつか
    取り出された徳利が一本になり二本になってゆ
    く。静かな夏の夕暮れの一時である。
    
作者・・若山牧水=わかやまぼくすい。1885~1928。
      早稲田大学卒。尾上柴舟に師事。旅と酒を愛す。

出典・・歌集「死か芸術か」。