**************** 名歌鑑賞 *****************


海士はさしも 思ひいれずや 明けなむも をしまが磯に
すめる月かげ
                                                 後西天皇

(あまはさしも おもいいれずや あけなんも おしまが
 いそに すめるつきかげ)

意味・・漁師はそれほど深く心に留めていないのか。夜が
    明けようとするのが何とも惜しい。雄島が磯に澄
    んだ光をなげかけている美しい月は。

    風流を好む人は名月を長く見たいと思うものだが、
    風流のない人は、いくら名月であっても心には留
    めないものだ。

 注・・海士=漁師。
    さしも=それほどは。そんなにも。

作者・・後西天皇=ごさいてんのう。1637~1685

出典・・万治御点(小学館「近世和歌集」)