**************** 名歌鑑賞 ***************


巻向の 山辺響みて 行く水の 水泡の如し 
世の人吾等は
               詠み人知らず

(まきむくの やまべとよみて ゆくみずの みなわの
 ごとし よのひとわれは)

意味・・巻向の山辺を鳴り響かせて流れ行く水の、その
    流れに浮かぶ水の泡の如きものだ。現世に生き
    ている我等は。

    巻向にいた妻が亡くなって無常観をもって偲ん
    だ歌です。

 注・・巻向=現在の奈良県桜井市。

出典・・万葉集1269。